シェアリングエコノミーで意識している4つの観点
"シェアリングエコノミー" という単語を、テレビでもネット記事でも目にする機会が増えました。テックメディアではかなり以前から目にするけど、マスメディアでもということは、色々と変わってきているのですね。
シェアリングエコノミーというバズワードにおいて、個人的に意識している4つの観点。
①消費者からしたらサービス提供形態はどうでもいい
インターネットを活用した、スキルのシェアビジネスの草分けといえば cytaと思いますが、創業者の有安さんが「CtoCとか企業が提供するとか、消費者からしたらどっちでもいい」と言っていましたが、そう思います。
シェアリングだからとか、BtoCとか、CtoCとか、BtoBtoCとか、事業を営む立場としてはいろいろ違いますが、肝心のお客さんからしたらどっちでもいい。
扱う商材やサービス、提供する切り口や領域、対象とする顧客層などによって、お客さんが重視するポイントや比重が異なるでしょうが、お客さんからしたら、得たい便益・メリット・効果・内容・体験を、良い料金で得られること(あとは安全とか正確とか手間なくとか)が重要であって、それを提供するのはシェアリングでも企業でも、お客さんからするとどっちでもいいし、大して気にしてない、と肝に命じてます。
マイシェフにおいても、シェア型か、マーケットプレイスか、企業提供か、料理人は実は全部従業員か、アルバイトもいるかは、お客さんからすると、良いサービスを受けられる限り、どっちでもいいと思っていると、思います。
②売り切りビジネスからレンタルビジネスへの広がり
「消費者の意識が、保有から共有(シェア)へ」という文脈を目にすることがありますが、個人的には違和感があります。
消費者として「保有」するしかなかった、言い換えれば 企業が「売り切り」ビジネスしてきたものの中で、「レンタル提供」する対象や、レンタルサービスを提供する企業が徐々に増えてきた、と解釈しています。例えば洋服だったり、絵画だったり、おっさんだったり。
例えば「九州に出張で、スーツをもっていくのが面倒。九州で3日だけシェア・レンタルでスーツ使えれば」と消費者が思っても、そのサービスを提供する企業がなければ、利用のしようがありません。
消費者として、別に保有したいのではなく、使いたいだけ、というのは以前から様々な場面であると思います。でも企業が販売しかしなければ、消費者は「保有=利用」か「保有しない=利用しない」という選択肢しか選べない。
シェア・レンタルを提供する企業・対象商材やサービスが増えることで、保有 or 非保有ではなくシェアを利用する消費者も増えると思います。
③以前は売られることのなかった個人のもちもの(もの、場所、スキル、経験、時間など)が、場ができることで、売れるようになった
以前から場があって個人が売っていたもの(ハンドメイド品、フリマなど)、最近になって場ができて初めて個人が売り始めたもの(自宅の駐車場、自宅の部屋、会社の会議室、ギターや英会話の経験など)、基本的に企業に属して企業が販売してきたもの(ネイル、ヘアスタイリング、ベビーシッター、料理など)があると理解しています。
場を作って提供する企業は、個人のもちもの(もの、場所、スキル、経験、時間など)を、束ねたり、利用したり、一覧化して場を作り、PRや販売、サポートや信頼を作ることで場としての商品価値を高め、以前は個人では売り物にならなかったものを、場を通じて売り物化しています。
個人からすると、今まで売れるなんて思ってもみなかったものが売れる。やったー、プチ副業!ちょっと小遣い稼ぎができる! というのは、シェアリングエコノミーの非常に良い側面だと思います。
(シェアハウスのように、シェアすることが目的のものは別ですが)"シェアしたい" という動機はなく、使いたいだけ、なるべく安く使いたいという個人のニーズと、自分のもちもの(もの、場所、スキル、経験、時間など)が売れるんなら売る、という両側面のニーズが合致し、一定のボリュームがあるところに、場が成り立つと理解しています。
マイシェフにいても、レストランやホテルで働く料理人(企業に属している)が、本業の休みの日にマイシェフで活動(個人として活動)しています。
④自己有効感・自己効用感
シェアリングエコノミーの文脈とは別に、自己有効感や自己効用感を得たい、得る活動を求める流れにあるような気がします。
バブル崩壊前までの経済拡大期は、戦後の日本人の自尊心の回復、明日はもっと裕福になるという時代感から、たくさん稼ぎ、人々の欲求を刺激し、その欲求を購入で満たすことが素晴らしいと、時代に刷り込まれていたものと認識しています。
その後、自尊心の源の経済は低成長になり、平均給与は下がり続け、人によってはリストラも身近なものとなり、自覚はなくても「失われたXX年」と言われ続けた結果、消費をすることに欲求も快感もなく、保有することに自らの存在証明を感じない人が増えていると思います。
それに変わり、自己有効感や自己効用感を求める人が増えている気がします。自分が誰かに役立っている、自分の行いは何か意味や意義があると感じられる、自分の存在を自分で肯定できる。
シェアリングエコノミー含めた 企業から個人の流れの中で、以前は顔が見えなかったものが顔が見えるようになり、以前はイチサラリーマン・イチ主婦・イチ年金暮らしおじさんだったのが、自分の名前やハンドルネームなどを用いた個人としてのコミュニケーションや交流が生まれることで、自己効用感や自己有用感を得やすいのではないかと思います。
マイシェフにおいても、本業ではお客さんに名前も顔も知られることなく、与えられた仕事を厨房でしますが、マイシェフでは、名前を出し、自分に対して注文してもらい、お客さんの目の前で料理を提供します。
自分が作った料理で、目の前のお客さんに「美味しい」「ありがとう」と言っていただける機会は、料理人にとって根本的な喜びではないでしょうか。
【補足:マイシェフご利用くださいね】
マイシェフは、1年前も今も、顧客の6〜7割を育児ママや夫婦が占め、子供の誕生日などのハレの日や、ママ友や友達家族の集まり・イベントごとでのご利用が多いです。
育児中の女性は、きっと役に立つサービスと思い、一度使ってみてくださいね。
■ マイシェフHP:http://mychef.jp/
■ マイシェフを利用したお客様の感想:http://mychefjp.blogspot.jp/2016/02/blog-post_7.html
■ NHK「あさイチ」にて、出張シェフサービスのマイシェフ取り上げていただきました:http://mychefjp.blogspot.jp/2014/02/nhkmychef.html
育児中の男性は、奥さんにプレゼントしてくださいね。ギフト券もありますから。
■ 結婚記念日・誕生日にマイシェフギフト券:http://mychef.jp/gift.html
■ WBSにて、新しいギフトとしてマイシェフ取り上げていただきました:http://mychefinfo.blogspot.jp/2014/12/mychef.html
法人での利用も増えています。キャンペーンの景品・賞品や、福利厚生目的での利用など。絶賛ご利用ください。
■ マイシェフギフト券 法人プログラム :http://mychef.jp/business-gifts/case.html
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