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新規事業が難しい理由|既存事業の仕事と異なる3つの点

新規事業は難しく、なかなかうまくいきません。
なぜ新規事業が難しいのか、既存事業の仕事と全く異なる3つの点を説明します。

 

一般的に、新規事業の成功率は10%未満と言われます。新規事業立上げの試みは、10回中、少なくとも9回は失敗するのが一般的です。

新規事業の成功率は10%未満 ◉ 大企業の新規事業 成功確率を上げるため大切なこと

新規事業が難しい理由 既存事業との違い

企業内の新規事業開発は、①事業的な観点 と ②組織的な観点 の両面をうまくやる必要があり、
② 組織的な観点 は、②-1 組織ルールや仕組み、②-2 担当する人 に分かれます。

②-1 社内新規事業_失敗確率を下げるために必要な組織的観点
②-2 新規事業に向く人の見分け方|大企業の社内新規事業 担当者の選び方

 

②-2 担当する人は、「素養」と「経験」に分けて考える必要があり、「素養ある人」が、「新規事業の経験を積む」ほど、うまくできるようになります。

逆に、新規事業の経験がない人が、初めて新規事業に携わると、戸惑うことに頻繁に出くわすのが普通です。
なぜ新規事業が難しいのか、既存事業の仕事と全く異なる3つの点を説明します。

 

■ 新規事業が、既存事業の仕事と全く異なる3つの点

新規事業に関する仕事が、既存事業の仕事と全く異なるのは、大きくは次の3点です。

① 事業がない・決まっていない
② やる作業が決まっていない
③ その作業をやれば、うまくいくかどうか、誰も知らない

 

① 事業がない・決まっていない

新規事業は、新たに事業を開発する仕事ですから、当然、事業が既にあるわけがありません。
「携わる事業がない」という状態は、想像を遥かに超えて、心理的に不安定な状況に陥ります。営業しようにも、売るものがありません。誰に売るかも決まってません。競合も考えようがありません。サポート部門も存在しようがなく、開発エンジニアがいても何もすることがありません。

新規事業が、既存事業と異なり難しい理由 

 

「携わる事業がない」というのは、新規事業の担当になって、社会人で初めて経験する状態ではないでしょうか。

企業に就職した場合、どのような会社であれ、必ず「既存事業」が1つ以上あります。部署異動やグループ企業内異動により、色々な業務や仕事経験したとしても、必ず「自分が携わる事業がある」状態だったはず。

「携わる事業がない」という状態(=携わる事業そのものを新たに作ることく)が、新規事業初心者にとって、何をすれば良いか戸惑うことが多く、新規事業が難しく感じる主要因の一つです。

 

② やる作業が決まっていない

新規事業のコンセプトや内容を固めたら、それを具現化させ、売っていく必要があります。

既存事業の場合は、商品であれサービスであれ、業務を進めるプロセスや担当部署、具体的な作業内容や販路・製造体制、ビジネスモデルや粗利率など、既存の標準ルールややり方があり、それに則り進めることになるでしょう。

しかし新規事業の場合、このようなものがなく(一部は既存事業を踏襲できる部分はあれど)、作業ベースで何をすべきであるか、考え出す必要があります。

 

事業(商品やサービス)の企画をし、具現化するため何をする必要があるか、作ろうとする事業や、自社の保有する資産によって全く変わってきます。

自社だけで実装できない場合、開発パートナーや研究機関との提携や契約が必要かもしれません。事業計画を作るにも、過去の実績数字はありません。売る前に、リソースを束ねるための営業活動が必要かもしれません。商品売り切りはなく利用型サービスの場合、サポートセンターの形態も変わるでしょう。対象顧客や市場を変えれば、販路や代理店網の構築も必要です。

あれも必要、これも必要、と思いつけばまだ良くて、あまり思いつかない可能性もあります。(既存事業であれば、必要な作業や部門は決まっており、思いつく必要がありませんので)

 

「やる作業が決まっていない」という状態が、新規事業初心者にとって、何をすれば良いか戸惑うことが多く、新規事業が難しく感じる主要因の一つです。

(新規事業の未経験者が、いきなり新規事業の責任者になる可能性は低く、新規事業初心者は、まずは事業開発の責任者が計画する内容・指示に沿って、担当領域・担当作業を進めることになるでしょう。)

  

③ その作業をやれば、うまくいくかどうか、誰も知らない

新規事業のプロジェクトの計画に沿って、作業を進めても、うまくいく(うまく進む)こともあれば、うまくいかないこともあります。作業を進めたら別の新しい課題が発生したりします。
(ちなみに、計画通りに進むことはほとんどありませんが)

作業はいい感じに進んでも、その後実際に事業が立上り、きちんと売れなければ、全ての作業は結果として無駄になります。

新規事業の作業が難しい理由

 

既存事業であれば、営業であれサポートであれ生産管理であれ、ある程度の標準が確率され、うまくいかない方法は既に排除されており、効率的に作業を進められるようになっています。投入する時間やリソース量、期待効果や時間軸も目処が立つでしょう。

しかし新規事業に関する業務はそうはいかず、
顧客の声を踏まえて時間とリソースをかけてサービス開発し、いざテスト販売したら全く刺さらず、ゼロまで戻ることもあるでしょう。
必要な技術を持つ外部会社や研究機関を半年探し回って見つからないこともあれば、見つかっても契約条件で折り合わないこともあるでしょう。

■ 新規事業が、既存事業の仕事と全く異なる3つの点

新規事業に関する仕事が、既存事業の仕事と全く異なる3点を説明しました。

① 事業がない・決まっていない
② やる作業が決まっていない
③ その作業をやれば、うまくいくかどうか、誰も知らない

 

このような既存事業との違いは、新規事業の経験がない人からすると、大きな戸惑い・不安につながります。

一方で、新規事業に慣れた人にとっては、そりゃあそうだという当たり前の内容です。また、不安定なカオス状態を楽しめる人や、他の人が決めたことに従うより自ら考え出したい人にとっては、まさに望む状態でしょう。

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