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【精神科医が教える聴く技術 要約】言葉の裏にある感情をどう聞くか

長年にわたり、人の話を聴き続けてきた著者が教える「聴く技術」のサマリー。

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◾️聞いてもらうと楽になるのはなぜ

・精神療法やカウンセリングは、新しい言葉を見つける作業。
・自分を語っているうちに、自分がしっくりくると感じる言葉に出会う。すると表現できずモヤモヤしていた気持ちに、ああそうだったのか!と納得がいき、自分が広がったような気持ちになる。
・これは物理学の自己組織化と似ている。バラバラだった要素が互いに相互作用を及ぼして結びつき、自発的に秩序を作り上げていくこと。

●聴く技術とは

・日常でも、ちょっと嫌なことや辛いことあると、聞いてもらえると話し手は楽になる。聞き手が黙って聞いていれば、話し手は賛成してもらえたと思う。
・一方、いきなり聞かされた聞き手は、不完全感が残る。特に聞き手ざ何も反応できないと不完全感。
・聞き上手と言われる人は、黙って聞いているが、「そうよね」など適度に合いの手を挟み、自分も不完全感を溜めないようにしている。
・聴く技術は、カウンセラーが不完全感を溜めずに、相手の話を黙って聴き遂げるための技術。

 

◾️黙って聴く

・終わるまでただ黙って聴いてもらい、賛成してもらうだけで、人は楽になる。
・まずは、とにかく黙って話を聴く。それができるようになったら、相手の話を賛成して聴こうとする。「黙って聴く」はマスターするのに1年はかかる。

●黙って聴くための3つの指針
話し終わるまで、ただ静かに聴く。
 1 絶対に口を挟まない
 2 絶対に質問しない
 3 絶対に助言をしない。 

●黙って聴くための、4つの禁止事項 
 1 支持や承認の口を挟まない  
  相手の内容に同意して「自分もそう思う」などを伝えない。 
 2 復唱・繰り返し・要約をしない 
 3 明確化しない  
  カウンセラーが違う言葉に言い換えたり、要点を指摘しない 
 4 聴き取れなくても、聞き返さない

・カウンセラーが口を挟んでしまうと、全体が質疑応答になってしまい、カウンセラーの質問や意向に沿った内容に限定したものになってしまう。
・自分が知らない自分を語ることは一人ではできず、語るために相手が必要。口を挟まずに黙って聴いてくれる相手が。

 

◾️賛成して聴く

悩みの本質を知れば、心から賛成して聴ける聴く技術。

●4つのステップ
 1 黙って聴く 
  黙って聴く3つの指針と、4つの禁止を守って聴く。
 2 賛成して聴く 
  悩みを分類(見立て)しながら、内容に賛成して聴く
 3 感情を聴く 
  感情の階層を意識しながら、それに同調して聴く
 4 葛藤を聴く 
  解決できない矛盾を聴いて、自己組織化の力を引き出す

・1,2の目的は、相手が安心して自由に自分を語れるようになる。
・3は、感情階層の進展具合を把握し、同調しながら確認していく。
・4は、解決を予測しながら、語り尽くし、聞き尽くす。

・賛成して聴いてもらえると、何を話しても許されると安心して、さらに自由に語ることが加速される。

・黙って聞けない理由は、相手の話に賛成できないから。自分の意見=相手に賛成できない、だから口を挟んでしまう。

賛成できない時の対処法は2つ。
・1 対処療法は、諦めて、聴けなくなった瞬間を自覚できるようにすること。聴けなくなる瞬間を自覚することで、心して黙っていようと思えるように。
・2 根本療法は、悩みの本質を分類するし、解決策を予想できるようになること。

 

●人の悩みは4つに分類される
 1 人が怖い
 2 自分を責める
 3 人とうまく付き合えない
 4 死ぬのが怖い

・4つの悩みの共通構造は、Aこうしたい、こうすべきだけど、Bそうできないので、悩み苦しむ。Aは理想とする・望む生き方、Bは実際の生活の中でそうできなくて悩む気持ち。AとBの対立構造が、人の悩みの本質である。

 

◾️感情を聴く

・深いレベルに流れる感情を聴くと、心がつながる。
・感情の階層は、不安ー抑うつー怒りー恐怖ー悲しみー喜び。この順番で語られていく。
・相手の心を占める感情が何かを聴きとる。感情は言葉よりも広く、深く、強いもの。語られる言葉の背景の感情を聴く。

●感情の6つの階層
 1 不安と頑張り 相談は現実の不安の表現から始まり、
 2 抑うつ 頑張れない自分を責めて、人生を振り返り
 3 怒り そんな生き方をしてきた自分に怒り
 4 恐怖 自覚されない恐怖を見て
 5 悲しみと諦め 悲しみの中で、古い生き方を捨てると
 6 喜び 喜びの中で、人は新しく生き始める

・言葉は感情が生じた後に、社会的な表現、すなわち人に伝わるような表現を見出したときに発せられる。美しさ森の景色を見て「ああ、きれい」と言葉にするとき、それは社会的な表現である。
・逆に、人や自分自身に説明できない感情、伝わらない感情は言葉として表現されない。
・カウンセリングでは、日常生活では言語化されない感情、社会の中では容易に伝わらないような感情が自覚され、語られてれ。社会的な場面では、理性が感情に優先される必要がある。
・一方、カウンセリングでは、理性や言葉より、深いレベルの感情が優先される。