出張レストランサービスのマイシェフ社長ブログ

個人向け出張レストラン・出張料理 "マイシェフクイック" の社長のブログです

閃くための作業手順

■「アイデアのつくり方」より

・アイデアは一つの新しい組み合わせである。新しい組み合わせを作り出す才能は、物事の関連性を見つけ出す才能によって高められる。

【アイデアを作る実際的な方法・手順・技術】

①資料を収集する
②収集資料を咀嚼する
③問題を放棄し、できるだけ完全に問題を心の外に放り出す
④到来を最も期待していない時に現れる
⑤そのアイデアを現実の世界に連れ出す

・アイデアを作るには、この5段階を一定の順序で通り抜ける。本当にアイデアを作りたいなら、この5つのどの段階にも、それに先行する段階が完了するまでは入っていけない。

 

①資料を収集する
・集めるべき資料は2種類ある。特殊資料と一般的資料。
・広告でいう特殊資料は、製品と、売りたいと想定する消費者について。
 これらについての真の知識にはなかなか近づきづらい。
・十分に深く、遠く掘り下げると、製品とある種の消費者との間に、アイデアを生むかもしれない「関係の特殊性」が見つかるものである。
 しかし、この知識収集過程をあまりに早く中止してしまい、ゆえに失敗する。

・一般的資料は、人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識。
 アイデアは要素の新しい組み合わせのため、多様な一般的知識が重要になる。
・創造的人物は、決まって2つの顕著な特徴を持っている。
 1つは、興味を感じないテーマは世に存在しないほど好奇心旺盛。
 もう1つは、あらゆる方面のどんな知識でも貪り食う。

・広告アイデアは、製品と消費者に関する特殊知識と、人生とこの世の様々な出来事についての一般的知識との「新しい組み合わせ」からうまれるもの。
・一般的知識が多様に多くなるほど、心の中に貯えられる世界の要素が多くなればなるほど、新しい、目の覚めるような組合せの可能性も増大する。

・特殊資料集めは当面の仕事、一般的資料集めは生涯にわたる長い仕事である。
・この段階は至極単純に思えるが、実際にはこの第一段階が無視さていることが多い。

 

②収集資料を咀嚼する
・集めた個々の資料を、心の触覚で一つ一つ触り、あっちに向けたりこっちに向けたり、違った光の下で眺めたりして、意味を探し求める。何か新しい関係を探そうとする。
・これは意味を探すというより、意味の声に耳をかたむけるようなもの。

・この段階では、次のようあ2つのことがよく起こる。
・ちょっとした、仮の、あるいは部分的なアイデアが訪れる。それを忘れぬようメモしておくこと。
 これはこれから生まれるアイデアの前兆であり、言葉にすることで作成過程が前進する。
・もう一つは、このパズル組み合わせに疲れてきて、嫌気がさしてくること。
 早く嫌気を起こさず、少なくともこの過程における心的エネルギーの第2層までは追求してほしい。

・しかしやがて、絶望状態に至る。何もかもがグチャグチャになり、はっきりした明察は生まれてこない。
・ここまでやった時、つまりパズルを組合せる努力をやり遂げた時、第2段階を完了して第3段階に移る準備ができたことになる。

 

③問題を放棄し、できるだけ完全に問題を心の外に放り出す
・この第3段階にくれば、もはや直接的になんの努力もしないことになる。
 問題を全く放棄し、できるだけ完全にその問題を心の外に放り出すこと。
・すべきことは、問題を無意識の心に移し、眠っている間に、意識の外で何かが勝手に働くのに任せておくということ。

・問題を意識の外に移し、無意識の創造過程を刺激するのに役立つたった1つのことは、何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに心を移すこと。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩を読んだり。

・第1段階で食料を集め、第2段階でそれを十分咀嚼した。今や消化過程が始まったわけで、そのままにしておくこと。ただし胃液の分泌を刺激して。
・大切なことは、この段階もまた、前の2つの段階と同様に、決定的な、不可欠の段階であることを体得すること。

 

④到来を最も期待していない時に現れる
・それは、その到来を最も期待していない時に訪れてくる。髭を剃ってる時、風呂に入ってる時、早朝目が覚め切る前、真夜中に。
・アイデアが訪れるのは、アイデアを探し求める心の緊張を解いて、休息とくつろぎのひと時を過ごしている時。

 

⑤そのアイデアを現実の世界に連れ出す
・最後の段階は、生まれたばかりのアイデアを、それが実際に力を発揮しなければならない場の現実の条件に適合させるべく、忍耐強く様々たくさんの手を加える。
・多くの良いアイデアが陽の目を見ずに失われるのはこの段階において。発明家やアイデアマンは、この適用段階を通過するのに必要な忍耐や実際性に欠けている場合が多々ある。

・良いアイデアは、自分で成長する性質を持っている。良いアイデアは、それを見る人を刺激するので、その人々がこのアイデアに手を貸してくれる。
・自分では見落としていたそのアイデアが持つ様々な可能性がこうして明るみに出てくる。

 

https://www.chieflearningofficer.com/wp-content/uploads/sites/3/beans/images/AdobeStock_302543130-8b38574.jpg

 

■アイデアが「降りてくる」手順(2020年6月版)

① 脳に「空の箱」を用意する。
② 懸命にインプットし、懸命に考える。
③ 考えるのをやめて、しばし放置。
④ ボーっとしてる。
⑤ 勝手にアイデアが “降りてくる” 。勝手にひらめく。 

 

イデアが降りてくるタイミングに流派がある。
散歩派ベートーヴェンさん、アリストテレスさん、ニュートンさん、
シャワー風呂派山中伸弥教授、アルキメデスさん
・無心で掃除や料理など

 

ボーッとすることとは、脳のデフォルト・モード・ネットワークを活用するということ。意識的な行動をしていない時の脳のエネルギー消費量は、意識的な活動時のそれの20倍。
脳が意識して活動する時は、後部帯状回前頭葉内側で血流が減り活動を低下させる一方で、意識的な活動をしない時は血流量が増加して後部帯状回前頭葉内側の領域が脳内で最もエネルギー量を消費している。
一つの作業に集中する時は脳の作業領域の一部のみにエネルギーを消費するが、次に何が起こるかわからない時は脳の複数作業領域にエネルギーを費やさねばならないようだ。脳内で偶発が生じる状態なのではないか。

 

■「どうすれば「あなた」はクリエイティブになれるのか」より

・アイデアを得るとは、今までつながってないように思えていたものの間に、つながりを見出すこと。例えばダイソンの羽のない扇風機。

・ある課題を抱えて四六時中そのことを考えていると、ものを考えてる人は基本的にいつもそのことが頭から離れず、無自覚のうちに問題が頭にこびりついている。そんな時に、何気ない普段の光景が、何かの拍子に見方が変わる。今まで見えなかった繋がりに気づく、つまり閃きを生むには、問題を抱えたまま生きる力が大事。

考えることの本質は、問題を抱えて待つこと。意外と何が問題なのかを見つけるのは簡単でなく、閃きの前に、ちゃんと問題を見抜くところから始める必要がある

・問題設定のコツは2つ
・1つは分析的な思考をずっと突き詰めること。情報を読み解き、核心を見抜き、整理すること。それにより正しく問題設定できるはず。
・もう1つは、自分の頭がまわるレベルの具体的な問いになるまで問い直すこと。
・問題設定を失敗する人の特徴は、あまりに壮大で抽象的な問いばかり立てているパターンがほとんど。分析的な思考を突き詰めないから、問いが中途半端な状態で終わってしまっている。そういう場合、どれだけ問いに対して「待つ」という作業をしても、何も閃かない。

・自分が立てた問題設定に対して、クリティカルな目線をもって常に問い直すことが求められるが、簡単ではない。
・ずっとモヤモヤした状態が続くことになるが、ほとんどの人は答えが出ない状態に耐えられない。物事を単純に考えたがり、大きくて抽象的な問いに対して一直線で答えを出したがる。

・悩みにぶち当たり、分析的な思考で問題の本質・核心を捉えて問いを立て、その問いを可能な限りクリアな状態になるまで問い直し、それを抱えたまま情報を仕入れる。問いを念頭に置いたまま待つ。ひらめきを生むためには"問題を抱えたまま待つ"。

・答えがないモヤモヤした状態が苦手なのは、人生でずっと答えがあるものばかり解いてきたから。問題を解くという行為が、自分で考えるのではなく、既に存在する答えを見つけることなんだと勘違いしてしまっている。
・モヤモヤの中でこらえる忍耐力が育っていない。正解がないものに対して考える気力や忍耐力が必要。