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【ハイ・コンセプト 要約】「新しいこと」を考え出す人の時代|ダニエルピンク・大前研一

新しいことを考え出す ハイコンセプト のサマリー。
この本の出版当時(2006年)に読んだときは、正直よくわからずピンときませんでした。しかし、いくつかの新規事業に携わり、起業した後に再読したら、驚くほど賛同する内容でした。
2006年当時、内容にピンとこなかったのは残念でしたが、致し方ありません。

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◾️21世紀、どういう仕事をすべきか

1 よその国、特に賃金が安い国にできることは避ける
2 コンピュータやロボットにできることは避ける
3 反復性のあることも避ける
 
要するに、創造性があり、反復性がないイノベーションとかクリエイティブといったキーワードの能力が必要になっていく。
既成概念に捉われずに、新しい視点から物事をとらえ、新しい意味づけを与える流れ。
未来をリードするのは、何かを創造できる人、他人と共感できる人、パターン認識に優れた人、物事に意義を見出せる人。
 
答えのない世界では、右脳を生かした全体的な思考能力、新しいものを発想していく能力、その実現可能性を検証するための左脳的役割。
それらをもつ突出した個人を、いかに見つけるかぎ、企業間の勝負を分ける。育てるのは難しい。
 
新しい時代を動かす力は、新しい思考やアプローチであり、ハイコンセプトやハイタッチである。
ハイコンセプトは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見バラバラ概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力など。
ハイタッチは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、日常の出来事にも目的や意義を追及する能力など。
 
 
左脳主導思考の重要度が低下し、右脳主導思考の重要度が増す理由は3つ。
1 20世期に物質的に豊かになった結果、目的や意義の追求、美しさや感情面を重視する傾向が強まった。
2 左脳型ルーチンワークの大部分が、アジアの国々で安く行われる。
3 ソフトウェアによる自動化。
 
 
人は歳を重ねるにつれて、生活の中に、目的、本質的な満足、超越といった、それまでの人生でおざなりにしがちだった特質を重視するようになる。
人は成熟世代に入ると、女性的なものの見方を重視するようになり、他人に共感し、思いやりを示し、話し手の立場に立って考え、個人的な体験や一人称の物語を重要な学びの手段と考え、思いやりの倫理を持っていることを、価値あるものと考えるようなる。
 
 

◾️ハイコンセプト・ハイタッチな6つのセンス

1 機能だけでなく「デザイン」
2 議論より「物語」:説得やコミュニケーション、自己理解に肝心なのは相手を納得させる話ができる能力。
3 個別より「全体の調和」:最も重視されるのは、分析力でなく総括力、つまり全体像を描き、バラバラなものをつなぎ合わせて印象的で新しい全体観を築きあげる能力。
4 論理でなく「共感」:成功する人は、何が人々を動かしているかを理解し、人間関係を築き、他人を思いやる能力のある人。
5 真面目だけでなく「遊び心」
6 モノよりも「生きがい」:豊かになり、生活に苦しむことから解放され、より有意義な生きがい、目的や超越、精神の充足を追い求められるようになった。
 
 
◾️1 機能だけでなく「デザイン」
デザインとは、多くの分野にまたがったもので、本質的に異なる物事をつなぎ合わせ、全体論的に物事を考えて解答を見つけ出すこと。
優れたデザインは、テクノロジー認知科学人びとニーズや美を組み合わせ、今までなかったことに誰も気づかなかったようなモノを無から生み出すルネサンスにも似たもの。
 
世界的デザイナーの生活とデザインに関する指針。
・専門的になるな。
・モノを作り出す前に、そのアイデアやコンセプトがオリジナルなものなのか、それに本当に価値があるかどうか自問すること。
・自分が経験してきた仕事について全て理解し、その上で何か新しいものをデザインするときには、前のものは全部忘れてしまうこと。
・「やれたはずなんだけど」とは決して言わない。それは、やらなかったことだから。
・モノではなく、「経験すること」にお金をつかえ。
・「普通」というのは良いことではない。
・一つのことにこだわらず、広く物事を考える。
・生活で最も重要なのは「経験」である。イデアの交換や他人との触れ合いこそ、本来の人間のあり方である。
 
 
◾️2 議論より「物語」
説得やコミュニケーション、自己理解に肝心なのは相手を納得させる話ができる能力。
人間は論理を理解するようにできていない、物語を理解するようにできている。
事実を文脈に取り入れ、感情によって豊かになった文脈こそ、物を語る能力の本質である。
科学的に優れた医学だけでは、患者が病気と闘ったり、苦しみの中に意義を見出したりする手助けはできない。科学的な能力に加え、患者の話を聞いてその意味を把握して尊重し、その上で患者の身になって行動する能力が医師には必要。
人は互いの物語に耳を傾ける必要があり、一人ひとりがそれぞれの人生の物語の作者である。
 
 
◾️3 個別より「全体の調和」
最も重視されるのは、分析力でなく総括力・統合力、つまり全体像を描き、バラバラなものをつなぎ合わせて印象的で新しい全体観を築きあげる能力。
シンフォニーは、統合する力、一見無関係に思える分野に関連性を見出す力、広範なパターンを見つける力、誰も考えなかった要素組み合わせから新たなものを創造する力。
コンセプトの時代に求められる3タイプ。境界を超えられる人、発明できる人、比喩を作れる人。
 
●境界を超えていく人。全く異なる領域の仕事を、同等の自信でこなせる人。創造性の大部分は伝統領域の境界を超えることにある。
●何か発明できる人。直観的で創意に富んだ関連づけ能力。ほとんどの発明や画期的アイデアは、既存のアイデアを新しいやりかで組み立て直すことにより生み出されている。
コンセプトの時代には、各関係の間の関連性をつかむ能力が必要とされ、全体像を見る能力がますます重要になる。
断片の結びつけ方を想像し、統合すること。優れた起業家は、みなシステム思考ができる。
重要なのはパターン認識力。全体像を捉え、周囲を取り巻く多種多様の情報から意義のあるトレンドを選び出し、将来に向けての戦略的思考ができる。
 
 
◾️4 論理でなく「共感」
成功する人は、何が人々を動かしているかを理解し、人間関係を築き、他人を思いやる能力のある人。
共感とは、相手の状況に自分を置き換えて考えられる能力であり、その人の気持ちを直感的に感じとれる能力であり、誰かの立場に立ちその人の視点で考えその人が感じるように物事を感じ取れる能力。
理性的な精神の表出は言葉であるが、人は感情を言葉で表すことは滅多にない。感情を表すキャンバスは顔である。
基本的な感情は、怒り、悲しみ、恐れ、驚き、嫌悪、軽蔑、喜び。
人は多くの場合、他人に共感し調和する必要があるが、時には孤立することも必要。この二つを切り替えられる人が成功し、中性的な思考が必要である。
 
 
◾️5 真面目だけでなく「遊び心」
遊びは仕事、ビジネス、個人の幸福追求に重要な位置を占めるようになっており、その重要性は、ゲーム、ユーモア、喜びに代表される。
ユーモアには右脳が最も得意とする特性が多く含まれる。文脈中の状況を見極める力、全体像を見る力、異なる観点から新しい関係を作り上げる力など。
最も有能な経営者たちは、普通のマネージャーの二倍もユーモアを用いる。
遊び心いっぱいの軽妙な資質が、クリエイティブな人の特徴であることに疑いはない。
笑いは社会的活動であり、他人と常に満足のいく人間関係を保てている人のほうが、より健康で幸せを感じている。
 
 
◾️6 モノよりも「生きがい」
豊かになり、生活に苦しむことから解放され、より有意義な生きがい、目的や超越、精神の充足を追い求められるようになった。
人間の主な関心ごとは、喜びを得ることでも、痛みを避けることでもなく、自らの人生に意義を見出すことである。
私たち人間を動かす動機というエンジンは、生きがいを追求することにある。
人間は一体感と目的意識を切望する、意義を追求する社会的な生き物である。物質的に満たされている時代だからこと、精神性の価値が高まっているのかもしれない。
 
従業員たちは、自らの精神的価値を、職場に持ち込みたいと切に願いながら、ためらっている。
お金だけでなく、働く意義を与えてほしいと職場に要望する従業員が徐々に増えている。
幸福の要因は、満足のいく仕事に従事すること、ネガティブな出来事や気分を避けること、結婚、豊かな社会的ネットワークを築くこと、感謝の気持ちや許すこと、楽観主義など。(一方、重要でないのは、お金を得ること、高い教育を受けること、快適な気候の中で暮らすこと)
第三の幸福な形は、意義の追求であり、自分の最も得意とすることを知り、それを自分よりも大きな何かのために活かすこと。