新規事業ゼロイチは、優秀な人はやってはならない
大企業内の新規事業、特にゼロイチを作るのは、優秀な人には向きません。
優秀な人は、合理的に効率的に業務を推進し、失敗せずに小さな成功を積み重ねてきた可能性が高いと思います。だから社内で優秀と言われます。社内の出世頭です。
さて、新規事業は90%以上が失敗します。
残念なことに、社内から厳しい目で見られます。
新規事業に取り組む間、社内からは冷たい目線が容赦なく襲ってきます(社外からではなく、社内からです)。
「優秀だと言われてたけど、全然ダメだな。主力事業にいたから、成績優秀だっただけなんだな」なんて陰口が聞こえてくるかもしれません。
優秀な人は、そんな馬鹿を見ることが目に見えるような仕事を、安易に引き受けることは避ける方が懸命です。
当然ながら評価や昇進にも響いてしまうでしょう。
新規事業の失敗が90%なわけがないと思うかもしれません。
ただ、例えばユニクロの柳井社長でも、成功率は1勝9敗。
(あんな田舎者の洋服屋と一緒にするな!と思うかもしれませんが、平成時代に最も成長した野心溢れる起業家の企業でも、新しいことの失敗率は90%のようです。
なお、本日時点、ユニクロより時価総額の高い企業は、日本にはたった7社しかありません。)
■新規事業に向くのは、社内の異端児
新規事業ゼロイチに向くのは、そういう評価を気にしない、社内の異端児です。
(語弊を恐れず書けば社内の「異常者」です。はっきり言ってトチ狂ってます)
異端児なので、頼まれもしないのに、人とは違った観点でつい物事を見てしまいます。仕事や業務も、なぜそれをするのか、上司に突っかかったことも何度もあるのではないでしょうか(ああ、なんて面倒臭い部下でしょう)。
新規事業は、90%以上は失敗します。
あなたが優秀であるほど、失敗する確率が高まるかもしれません。
だから、優秀な人、社内で主流を歩んできた人は、新規事業というほとんど失敗することをやってはなりません。
では、新規事業とは、どういう人がやるものか。
例えば、法を犯した会社の出身者がぴったりです。倒産した企業の役員も良いかもしれません。
法を犯した会社や会社を倒産させた人は、一般には、優秀とは言いませんよね。
だから、新規事業にぴったりです。
平成時代に、日本で最も成功した新規事業の一つである、NTTドコモの iモード。
榎氏という、社内異端児がプロジェクト責任者となり、法を犯した会社の出身者(リクルートの松永氏、つい10年前にリクルート事件が起きたばかり)、倒産した企業の役員(夏野氏、ニュービジネス大賞の倒産企業の副社長)が採用され、一大ビジネスをゼロから作り上げました。
ほんの十数年前まで国営企業だったNTTドコモが、法を犯した会社の事業責任者クラスと、倒産会社の役員を、新規事業の責任者に据える。
その時点で、世の常識からすると、相当とち狂ったことが行われていたと、言えるのではないでしょうか。
(ちなみに、榎氏は自身の課長裁量?で500億円ほどのインフラ投資実行してしまったようです。無茶苦茶ですね。あなたは、会社でそれはできますか?)
企業勤めで優秀な人は、新規事業の担当は避ける方が賢明です。不幸の始まりです。
もしあなたが、新規事業を作る気概があり、向いている人の素養がある・社内異端児だと自認するならば、ぜひ新規事業に10回チャレンジして、1回の成功を目指したいですね。