"スタートアップの始め方" Paul Graham のサマリ
"スタートアップの始め方" Paul Graham のサマリ
元記事:http://www.aoky.net/articles/paul_graham/start.htm
■成功するスタートアップを作るに必要な3つのこと
- 優れた人たちと始めること
- 顧客が実際に欲しがるものを作ること
- 可能な限りわずかの金しか使わないこと
失敗するスタートアップのほとんどは、これらどれかをやり損ねたために失敗する。
■顧客が求めていること
- ビジネスが失敗する原因のほとんどは、顧客が求めるものを与えないこと。
- 失敗するスタートアップ本当の問題は、顧客がその製品を欲しがってないということ。資金を使い果たしたとかは表面的な原因でしかない。
- 顧客が欲しがるものを作る唯一の方法は、彼らの前でプロトタイプを造り、彼らの反応に応じて改良していくという方法。最初のプランは、ほぼ間違いなくどこか間違っており、優先度第一の仕事は、どこが間違っているか見つけ出すこと。そのための唯一の方法は、それを実装してみること。
- テクノロジーを使いやすくすることは、ものすごく真剣に取り組む価値がある。
- 成功の見込みが高いのはニッチマーケットの方だ。
■資金を集める
- スタートアップは、投資家の金を受け取るのは賢明な選択だと思う。
- 評価額はそれまでに書いたコードの価値ではない。それは(後に正しいことが示された)私アイデアの価値であり、そして(大きいことが後でわかることになる)将来に渡ってするすべての仕事の価値。
- VCと交渉するときは、自分で思っているより利点を持っている。その理由は、他のVC。売り手市場であり、金が多すぎ、選ぶべきうまい取引は少なすぎるため。
- VCからの1ドルは1ドルの価値だ。多くのVCは、金のみならずコネとアドバイスを提供すると言う。話している相手が ジョン・ドーアやマイク・モーリツなら、それは本当だ。しかしそういうコネやアドバイスはすごく高くつくかもしれない。そしてピラミッドを下っていくと、VCは急速にできが悪くなる。だから経験やコネについては疑ってかかることをお勧めする。基本的にVCは金の出所以外のものではない。私なら一番多くの金を、一番早く、余計な紐なしで提供してくれる所を選ぶ。
- VCにどこまで話していいか迷うかもしれないが、悩むべきだ。彼らはいつかあなたの競合に投資するかもしれない。最善のプランは、あまりに秘密にはしないこと、しかしすべてを話すのもいけない。
- VCの多くは、興味があるのはアイデアより人間の方だと言うだろう。彼らがあなたのアイデアについて話したがる理由は、あなたを判断するためであり、アイデアを判断するためではない。
- たとえ金がほしくない場合でも、可能な限り多くのVCと話すといい。それは(a) 彼らはあなたの会社を買ってくれる企業の重役をしているかもしれず、(b) あなたが印象的に見えるなら、彼らはあなたの競合に投資する気をなくすだろうから。
■そして調達した金を使わないこと
- 投資家から資金調達したら、何に使うべきだろうか?「使わない」というのが答だ。
- 失敗するスタートアップのほとんどは、失敗の表面的な原因は、金を使い果たしてしまうこと。これは避けるべく精一杯努めるべき。
- バブル当時は多くのスタートアップが「早く大きく」なろうとした。理念的には、「多くの顧客を早く得る」ことを意味する。しかしこれは容易に「多くの人を早く雇い入れる 」ということに流される。
- 成長するために、お金は 広告ではなく、ソフトウェアの改良のために使うべき。ブランドの広告に大金を費やすというのは何かが壊れていることの徴。
- 口コミの評判でゆっくり成長しているときは、最初のユーザたちは、自力で見出した人たち。スタートアップ初期において、優れたユーザほど価値のあるものはない。彼らに耳を傾けるなら、勝てる製品をどうすれば作れるか教えてくれるだろう。彼らはそのアドバイスをただでしてくれるだけでなく、お金まで払ってくれる。
- ユーザが好きになるものを作るには、ユーザを理解する必要がある。そして会社が大きくなるほど、それは難しくなる。だから私は「ゆっくり大きくなろう」と言おう。資金をゆっくり使うなら、学べる時間は長くなる。
- 金をゆっくり使うべきもう一つの理由は、安上がりの文化を育むということ。
- VCから何百万ドルか受け取ると、何か金持ちになったような気になる。が、あなたは金持ちになっていない。貧乏だ。VCの金は、あなたが収益をあげることを期待して投資家がよこしてくれた金だ。だからあなた自身は依然貧乏だ。
■金を使わない鉄則:スタートアップのオフィス環境
- スタートアップは、クールで安価を狙い、高価で派手なのは避けること。
- 当時Paul Grahamたちのオフィスは、木造3階建ての中にあり、1970年代までアパートだった。オンボロだ。立派な客がきたときには、少し気恥ずかしく感じたが、その場所はスタートアップにとって完璧な空間だった。
- アパートはソフトウェアの開発に向いた場所だ。スタートアップの多くに、最初は企業向け物件を避け、アパートを借りるようにアドバイスしている。
- スタートアップにとって場所はすごく重要。生産性の鍵は みんなが夕食後に仕事に戻ってこられること。電話が鳴りやむ時間帯が、仕事を成し遂げるための最適な時だ。社員のグループが一緒に食事に行き、アイデアについて語り合い、オフィスに戻ってきてそれを実装するなら、すごいことが起きる。
■金を使わない鉄則:人を雇わない
- 金を使わないために最も重要なことは、人を雇わないとこと。
- 極端かもしれないが、人を雇うというのは会社がなし得る最悪のことだと思う。人の数は可能な限り少なくした方がいい。
- 第一に、人に対する支出は繰り返し発生する、一番たちの悪い支出だ。人の増加はオフィスを拡張する原因になり、オフィスビルに移転する羽目になるかもしれず、それはソフトウェアの質を下げることになる。
- 何よりも悪いのは、人の増加は、あなたをスローダウンさせるということだ。立ち話で済む代わりに、8人の人間が頻繁にミーティングすることになる。
- バブル時、多くのスタートアップはその反対のポリシーでやっていた。彼らは可能な限り早く人を増やしたがっていた。これは大企業の発想だ。頭だけで書かれた組織図の隙間を埋めるために人を雇ってはいけない。
- 人を雇うべき唯一の場合は、やりたいことがあるが、人がいないためにできないというとき。
- 不必要な人を雇うのは、高くつき、会社をスローダウンさせる。では、なぜほとんどの会社が急いで人を増やすのだろう?多分、自分のために多くの人間が働いているという考えが好きだからだと思う。この弱さは CEOにまで広がっている。
- 起業家が人から聞かれる最も一般的な質問は、従業員は何人いるか、というもの。多くの人は、答が10人より1000人という方に感心する。これは本当にばかげている。2つの会社が同じ収益なら、より感心すべきなのは社員が少ない方の会社だ。
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