出張レストランサービスのマイシェフ社長ブログ

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【デザイン思考 要約】本当のデザインの話をしよう|newspicks

■デザインの正体

・難しいテクノロジーをユーザーが使いやすく「設計」することこそ、デザインの役割。
デザインの本質は、形ではなく設計。スタイリングではなく、その背景にある機能や技術を理解した上で、見た目を調整すること。

・しかし日本のメーカーでは、デザイナーの仕事は見た目だけの仕事。スタイリング仕事以外はできない。
・モノ中心経済の時代は、スタイリング変化によるマイナーチェンジで性能が劣化するわけではなかったので、まだよかったかもしれない。
・しかし産業がシフトし、アプリやウェブサービスが主流になると、UIこそがビジネスの成否を決める。ユーザーにとって重要なのは、見た目の格好良さではなく、使いやすさであり、考えることなく感覚的に使えることが大切。

・ただし、デザインに美しさも必要。美しさによりより魅力的に見え、本能を刺激し、手に入れたい使ってみたいという意欲を湧かせられる、美しいだけでUI問題の半分くらいが解決すると思う。
・最重要なのは実際の使い心地だが、加えて、使ってみたいとモチベーションを持たせることはとても大切

・デザインとアートの違いは、アートは簡単に言えば自己表現であり、そこにおける美しさは見た目ではなく、そこから受け手が感じる感覚であり個人差がかなり大きい。
一方でデザインは問題解決の手段であり、美しさとは機能と外観が直感的に結びつくもの

・インターネットによってUI設計が重視され始め、デザイナーとエンジニアの境界線が壊れ始めている。
・日本の問題は、工場とサービスを分けるという物づくり型が現在まで続いてしまっている。
Steve Jobsのことばに、Design is not just how it looks and feels like. It’s how it works. (デザインとは見た目や触り心地だけのことではなく、どう機能するかだ)というのがあり、デザインとは正しくそれ。

 

 

■アップルに学ぶデザイン

・典型的に、PCなど製品は工学出身エンジニアが作るので、内部機構に興味が湧きどうしてもスペック重視になってしまう、デザインは最後に決める順番に。
・その一方でアップルは、デザインは製品そのものと考えており、設計があり最後にデザインではなく、ユーザーに必要な機能を突き詰めて考えれば必然的にデザインは決まってくるという思想。だから設計の川上からデザイナーも入り、エンジニアと一緒に内部設計と外側の見た目を作り上げていく。
まずコンセプト把握して、デザイナーがそれをもとにデッサン、それに対して素材や部品をどう組み立てるかエンジニアが図面に落とし込む。議論を何度も繰り返しながら製品を作り上げていく。
・基本的にデザイナーは削ぎ落すことばかり考えている。

・そもそも人は、自分にとって何が一番いいか本当はわかってないと思う。ほとんどの人は、この機能が欲しい、あの機能も欲しいと欲張る。わかってない人に何が欲しいか聞いても、答えは出ない
・センスが良い人が、そのプロダクトを知り尽くして通になり、議論しつくして決める。

・多くの大企業では、営業やマーケに予算を使い、開発費をケチる。アップルは開発費に対して寛容で、ケチらない。
・世界最先端の技術や素材を探し、ないなら、共同開発で新技術を作ろうとする。 

・アップルが守る5つの掟 
 1デザイナーとエンジニアが一緒に設計 
 2必要ない機能はとにかく削る 
 3ユーザーの意見は聞かない 
 4開発費はケチらない 
 5最先端技術を世界から探す 

 

 
隈研吾に学ぶデザイン
・建築は、そもそも建築家1人で作れるものではなく、アートではなくビジネスである。
・自己満足のための設計はあり得ない。ステークホルダーとの関係構築をすること、つまり調整が最も重要な仕事である。周囲のコンセンサスを得て、他人の信頼を獲得する能力がすごく重要視される世界。
建築家に求められるは、方向性を示すこと。そのために求められる力は2つで、1つは時代を読む力、世の中が求めているものを敏感に察知できるかどうか
・時代の枠組みとして、かつての工業化社会とこれからの脱工業化社会で建築は変わるべきだと思っている。大量消費社会の次を指し示す、時代を先取りするようなものを目指している。
2つ目は、場所を読む力。その場所には何が合っているか、周りの人はどう思うか、想像を巡らせて場所を読む。それを時代背景と組み合わせて、どんな建築物が必要かイメージを湧かせ、そのイメージをしっかり持ちながら、細かいところはステークホルダーと詰めて調整していく
・人からの評価は曖昧でいい加減なものだ、だから評価で一喜一憂しないと決めている。逆に言えば、ここで何をやり遂げたかという、自分の満足を大事にしていきたい。
・クライアントやその建物を使う人、周りの住民が、その人たちが等しくハッピーになってくれたかがすごく大事。
・何でも良いものを作ろうと思ったら、ブランドや値段という枠組みに惑わされないで、いろんな商品を自分の目で見てみることが重要。
 
 
■アシックス靴職人の信念
・「私は、なぜもっと丈夫で長持ちする靴が世の中にないんだろうかと不思議でたまりませんでした。いつしか、自分で作ってみたいと思うようになりました」。
・別注シューズの開発担当は、1人から始まった。「教えてくれる人もいないし、ほんまにええ靴できるかな」と半信半疑の若者の試行錯誤が始まった。
シューズに見た目は関係ない、いかに試合で良い結果を残せる設計になっているか。その目的に沿ったデザインが、良いものだと思う。
デザイナーは相手の要望通りに作ることではなく、自分の作りたいようにするわけでもなく、最高の成果につながるアウトプットを出すことが大切
 
 
■ビジネスデザイナー濱口が語るデザイン思考
・徹底的に考えをモデル化し、論理を追求するやり方。
デザイン思考は革新を生まない、デザイン思考が向くのは既に存在する商品やサービスの改善。リノベーション向きのやり方
イノベーションを起こすには「先入観を壊す」必要がある自らの思考回路を解析し、それをあえて壊すからこそ、今までにないアイデアを生み出すことができる。
しかし多くの経営者は、自身の先入観を壊すことを好まない自身の成功体験でもあるし、再現性を好むため誰にでもわかる簡潔なロジックを好む。
・大企業の経営者は左脳が発達し論理構築に長けているため、主張に説得力がある。だからそこから出てくるアイデアには、面白みがない。一方で、斬新なアイデアを生み出すのが得意なデザイナーなどは、右脳派で直感的に物事を考える特徴があり、多くの場合は再現性がない。
・この対照的な両社をつなぎ合わすことができれば、イノベーションの可能性が高まるはず。この両者を融合させるには、個人が身につけるしかないが、ハードルがとても高い。
イノベーションに対して、再現性高い思考方法や手法群を使いこなして成果上げる人はいるが、発想力も持ち合わせた人はほとんど知らない。
 
 
■正しく学ぶデザイン
・デザインとは、ある目的を達成するために、必要な要素を組み立てること。
デザインは、芸術の表現ではなく、目的の表現。デザインは、機能+技術+意匠
・コンセプト企画や、ユーザー体験や問題解決アプローチの設計まで。消費者行動分析から商品・サービス価値定義まで。機能が高度化・複雑化し、操作がわからなくなると、使いやすさはデザインの重要なテーマとなっていく。
・ほとんどの人は、取扱説明書を読まない。見て触れば、使い方がわかる、直観的な機能美。
デザインは単なる見た目や感覚ではなく、どう機能するか
産業革命によって生まれたデザインは欧州で「機能美」への方向性を定め、アメリカでは売るための方法として「見た目」が進化、その後、モノが複雑化する中で「ユーザビリティという価値を生み出した。
・アイフォン登場により、スマホ起点とするビジネスモデルが登場。
経済の中心がデジタル産業にシフト、それに伴いデザインの領域も、プロダクト中心のモノから、体験価値中心のコトに変化。モノとしての形=意匠が消え、使い勝手が重要に
 
 
■どうすればクリエイティブになるか
・モノを考えるとは、関係を捉えること。
・例えば椅子と机は相互に関係し合い、椅子は座るという動作に結びついている。デザインというのは、その関係性を変えていくことではないか。モノやサービスと何かの関係性を再構築すること、あるいはまったく新しい関係性を作り出すようなことではないか。
イデアを得るとは、今までつながってないように思えていたものの間に、つながりを見出すこと。例えばダイソンの羽のない扇風機、斬新ですよね。
 
・ある課題を抱えて四六時中そのことを考えていると、ものを考えてる人は基本的にいつもそのことが頭から離れず、無自覚のうちに問題が頭にこびりついている。そんな時に、何気ない普段の光景が、何かの拍子に見方が変わる。今まで見えなかった繋がりに気づく、つまり閃きを生むには、問題を抱えたまま生きる力が大事
・考えることの本質は、問題を抱えて待つこと。意外と何が問題なのかを見つけるのは簡単でなく、閃きの前に、ちゃんと問題を見抜くところから始める必要がある。
・問題設定のコツは2つあり、1つは分析的な思考をずっと突き詰めること情報を読み解き、核心を見抜き、整理すること。それにより正しく問題設定できるはず。もう1つは、自分の頭がまわるレベルの問いになるまで問い直すこと
問題設定を失敗する人の特徴は、あまりに壮大で抽象的な問いばかり立てているパターンがほとんど。分析的な思考を突き詰めないから、問いが中途半端な状態で終わってしまっている。
・そういう場合、どれだけ問いに対して「待つ」という作業をしても、何も閃かない。抽象的な問いをもっと深堀して、具体的な問いに落とし込む必要がある。
・自分が立てた問題設定に対して、クリティカルな目線をもって常に問い直すことが求められるが、簡単ではない。
ずっとモヤモヤした状態が続くことになるが、ほとんどの人は答えが出ない状態に耐えられず物事をシンプルに考えたがり大きくて抽象的な問いに対して一直線で答えを出したがる。
・悩みにぶち当たり、分析的な思考で問題の本質・核心を捉えて問いを立て、その問いを可能な限りクリアな状態になるまで問い直し、それを抱えたまま情報を仕入れる。問いを念頭に置いたまま待つ。ひらめきを生むためには"問題を抱えたまま待つ" 
・答えがないモヤモヤした状態が苦手なのは、人生でずっと答えがあるものばかり解いてきたから。問題を解くという行為が、自分で考えるのではなく、既に存在する答えを見つけることなんだと勘違いしてしまっている。ネットが出て、その傾向は強化された。
・そのためモヤモヤの中でこらえる忍耐力が育っていない。正解がないものに対して考える気力や忍耐力が必要。

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