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NPSを重視する急成長サービス "Slack"|企業文化とメンタリティ, CMOと組織, 戦略と施策の実行

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NPSについての私の知識は、以前こっそりエンパスリンク高見さんに教えてもらったことと、あとは我流です。うまくやっている企業の知恵を拝借しようと思い、急成長しているNPS活用企業を少し調べてみました。

 

アメリカの2015年のスタートアップシーンで、最も急成長したといわれるのが企業内コミュニケーションツールのSlack。Slackといえば、そのハイパーグロースに目が奪われますが、実は社内の最重要指標は NPSだそうです。

 

SlackのCMOのBillさんは、どうやらカスタマーセントリックとNPSの信奉者。ウェビナー書き起こしやメディアインタビューから、NPS活用のヒントをまとめます。Billさんは、今はSlackのCMO。以前はZendeskのCMO。その前はSalesforceの VP of Marketing。超成長SasSのCMOクラスを歴任。成長請負人ですね。

 

■その人の、企業との "一つ一つの接点における体験" の総体が、ブランドとなる

・強いブランドが中長期の成長と業績を生み出す。

・Growthやブランドはマーケティングだけの仕事ではない。あらゆる従業員の行動がGrowthやブランドに影響を与える。あらゆる従業員の行動が、ブランド認知やブランド体験に影響する。全ての顧客接点が、顧客がハッピーになるようにデザインされなければならない。

シリコンバレーではプロダクトに過度に焦点が当てられるが、(B2Bでは)マーケティングやセールスやカスタマーサポート(customer success)が主たるブランドとの接点。こういった全ての個々の顧客接点を把握し、分析し、最適化せねばならない。

・サービス規約を書いた法務担当、支払方法変更の対応をした経理担当、 問合せの応答をした顧客サポート、顧客が目にした広告やウェブサイト、営業担当、プロダクトそのもの。こういう個々のあらゆる顧客接点が、Growthやブランドを形作っていることを、すべての従業員が認識すべきだ。

 

■NPSが最重要指標である

・"カスタマーセントリック"な指標をもってブランドを作り上げることが極めて重要。NPS(Net Promoter Score)を最重要指標とすることで、顧客のニーズを最優先・中心にする企業・組織に進化することを強いる力が働く。正しい指標にフォーカスすることは極めて大切であり、あらゆる従業員に向くべき方向を示してくれる。

・NPSとトランザクショナルCSAT(customer satisfaction)という中期の指標にフォーカスすることで、中期的な成長を目指すことができる。リードや見込み客などは短期指標。

・NPS導入やカスタマーセントリックであることの前提として、CEOと経営陣が、長期的なビジネス構築と成功を指向し、そのためには顧客の成功・顧客満足・ベストな顧客体験が欠かせないことを理解していること。

 

■最高のエクスペリエンスと、満足した顧客と、WOM

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・オーガニックな超成長は、プロダクトエクセレンスとWOMがそのドライバーとなっている。

・カスタマーエクスペリエンスとGrowthは、相反するトレードオフではない。最高のカスタマーエクスペリエンスが満足した顧客を生み出し、その顧客が他の人に推奨してくれる。一般にポジティブな口コミ経由でブランドを知った人は、新しい顧客となりやすい。

マーケティングの役割は、新しいセグメント、新しいヴァーティカル、新しい地域にブランドを浸透させること。Slackではその多くをユーザに頼った。Slackに接点を持ったあらゆるユーザーが、素晴らしい体験をし、他者にSlackのことを推奨したくなるように、全ての力を注いだ。

・未来の顧客になりうる人にとって、その企業との最初の接点がマーケティングの活動であることが多い。マーケティングは、その人に素晴らしい体験を提供せねばならないことを明確に認識すべきだ。

CMOは、データドリブンの側面と、魅力的なブランド体験創出の側面をブレンドさせる必要がある。ブランド指標(シェアオブボイス、センチメントなど)、ファネル指標(リードやパイプライン)、カスタマーサクセス指標(NPS、CSATなど)の把握は必要。中期的な捉え方を続けることでブランドエクイティの構築に繋がり、WOMに繋がる。

 

■ブランドを愛してくれている人を見つける

・NPSサーベイに、「なぜか?」という質問を加えると良い。顧客の中で何が起こっているか把握できるし、NPSスコアの改善のために何をすべきかわかる。

・NPSにより、ブランドを愛してくれている人を見つけ、プロダクトの方向性を定め、離反しそうな顧客を見つけ、コンタクトすべき顧客がわかる。

・あなたのブランドを好きな人にもっとフォーカスすべき。彼ら/彼女らに、ブランドに対する好意を広めてもらうためのツールやリワードを整えるべき。 これはWOMの非常に強力な後押しになる。

B2Bマーケティングは、より顧客体験とアドボカシーを重視し、NPSこそが最重要指標である。

 

■狂ったほどに顧客の体験にこだわる

・リードや見込み客などの短期指標のみだと、マーケティングや営業は、顧客の満足と関係ないことをするインセンティブが働き、既存の顧客や見込み客のユーザーエクスペリエンス・顧客満足を損なうことになる。中期的な適切な指標を重視することで、良い顧客体験を提供するインセンティブが働く。Slackでは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスは、CSATやNPSといった顧客体験に関する指標を追っている。

・CSATやNPSは、WOMの増加に大いに相関がある。WOMに頼るならば、素晴らしいユーザーエクスペリエンスにより、顧客も見込み客も初めてあなたと接点を持った人も、あなたというブランドを大好きになってもらいたいだろう。

・Slackは "カスタマーセントリック"である。私たちの顧客が何を求めているか知りたいし、全てのステップ・接点で素晴らしい体験を提供できるようにしたい。"競合セントリック" ではない。

ソーシャルメディアの広がりにより、かつてないほどに「顧客の声」は強くなっている。NPSのようなカスタマーセントリックなKPIに焦点を当てることは、オーガニックなWOMの成長と健全な中期的な急成長の秘訣である。

・顧客を中心に考えるマインドセットと、顧客と見込み客に対してベストな体験を提供できるか考え、あらゆることを判断して取り組んでいる。

 

CMOと顧客接点の体制

・2015,12時点で、マーケティングは20名ほど。CMOは全ての顧客接点のチームをマネージし、営業、マーケティング、カスタマーサクセス(顧客サポート)の3つがある。

・一人のリーダー(CMO)配下に3つのグループをまとめ、NPSという同じ方向性を向くことで、一貫性があり、顧客ライフサイクルで途切れのない素晴らしい顧客体験を提供することができるよう、チーム間のスムーズなコミュニケーションをすることができる。

・Slackでは、営業の数の5倍のカスタマーサポートがいる。

 

■出典 

What Marketers Can Learn From Slack’s CMO | Optimizely Blog

Slack CMO Bill Macaitis Interview - Business Insider

The smart marketing strategies behind Slack's extreme growth

5 Ways NPS Can Boost Your Business w/ Bill Macaitis - AskNicely

 

【補足:マイシェフご利用くださいね】

マイシェフは、1年前も今も、顧客の6〜7割を育児ママや夫婦が占め、子供の誕生日などのハレの日や、ママ友や友達家族の集まり・イベントごとでのご利用が多いです。

 

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■ マイシェフHP:http://mychef.jp/
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