失われた30年に争い急成長した会社・失われた30年を主導した会社
平成時代は「失われた30年」と言われます。
この期間の名目GDPの主要国比較は、次のような成長だそうです。
・日本:約1.2倍
・アメリカ:約3.4倍
・イギリス:約3.1倍
・中国:約46.4
日本だけ失われた30年、圧倒的に負けてます。
ただこの間、失われた30年に争い急成長した会社も、失われた30年を主導して失われまくった会社もあります。
■急成長した会社
■ファーストリテイリング 100倍以上成長
・1992年:売上 約140億円
・2019年:売上 約2.3兆円、営業利益 2500億円
1992年ごろ、ユニクロのイメージといえば、ダサくて低品質で値段は安め。
原宿店とフリースでプチブレイクし、社長交代で足踏みしましたが、柳井体制に戻った後は快進撃し続けています。
■トヨタ 3〜5倍成長
・1990年:売上 約10兆円、営業利益 約5000億円
・2019年:売上 約30兆円、営業利益 2兆約5000億円
書籍トヨトミの野望によると、武田剛平時代にハイブリットカーと海外展開体制を作り、リーマンショック前まで我が春を謳歌。ショックで5000億円レベルの赤字になるも、トヨトミ本家御曹司がトップになり、お家一致団結でグローバルに邁進。
■ダイキン工業 17倍成長
・1980年頃:売上 約1500億円
・2019年:売上 約2.5兆円
学生時代にダイキンエアコン販売バイトした頃は、業務用は強いけど、消費者向けは無骨で弱い、と思っていましたが、今や、堺のダイキンから、世界のダイキンに。
■キーエンス 30〜60倍成長
・1990年:売上 約200億円、営業利益 50億円ほど
・2019年:売上 約5800億円、営業利益 3100億円
私が就職活動をした2001年時点で、30歳で家が建ち、40歳で墓が立つと聞いていたキーエンス。物凄い急成長です。
■ダイソー 20倍成長
1991年に100円ショップ1号店をオープンしたダイソー、94-2003年のバブル後不景気と消費税アップの10年の間に、大伸長。
・1995年:売上 230億円
・2019年:売上 4700億円
■ミスミ 16倍成長
創業者からバトンタッチされた2001年は500億、日本屈指のプロ経営者により業績は急伸。
・1990年:売上 200億円
・2019年:売上 3300億円
■リクルート 6〜8倍成長
リクルート事件からダイエー傘下入りの頃、既に売上4000億円くらいあったリクルート。
・1991年:売上 約3700億円、税引利益 230億円
・2019年:売上 約2.3兆円、営業利益 約2000億円
■信越化学工業 4〜8倍成長
現金保有企業ランキングで、常に上位の信越化学。信越化学といえば、1990年に社長になった名経営者の金川氏。本日時点も現役会長で御歳93歳。
・1990年:売上 約4000億円、営業利益率 11%くらい
・2019年:売上 約1.6兆円、営業利益率 25%くらい
■ロート製薬 6倍成長
「ロート、ロート、ロートーー」のCMでおなじみロート製薬。日本経済の黄金期80年代は全く売上は伸びませんでしたが、社運を賭けたメンソレータム社の買収を機に、"なにわの何くそ魂" 挑戦企業に変貌。化粧品市場・世界市場に打って出て、化粧品が売上の65%を超えるまでに。
・1990年:売上 約300億円
・2018年:売上 約1800億円、営業利益 200億円くらい
ちなみに、「ロート、ロート、ロートーー」のCMと言えば 鳩だが、初代CMでは、撮影のために本社屋上の鳩舎にたくさんの鳩を飼い、担当女性社員が毎日、手に餌をのせて養育したそうである。半年がかりの大プロジェクト。
■ニトリ 60-200倍成長
お値段以上のニトリ、21世紀に入ってからの成長が急速です。
・1988年:売上 103億円、経常利益 5億円
・2019年:売上 6000億円、経常利益 1000億円
■ホンダ 4〜9倍成長
・1990年:売上 約4.3兆円、営業利益 760億円
・2019年:売上 約15.8兆円、営業利益 7200億円
■京セラ 2-4倍成長
アメーバ経営京セラ、特に1990年代に急伸しました。
・1990年:売上 4200億円、経常利益 550億円
・2019年:売上 1兆6000億円、営業利益 950億円
■失われた30年の筆頭格企業
平成30年で最も時価総額を減らした企業ランキング、という不名誉なランキングが日経新聞にありました。
政府の規制で長く守られた業界が多いそうです。