出張レストランサービスのマイシェフ社長ブログ

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コンサル 論理型ーデザインーアートークリエイティブの変遷

■論理型コンサル

・1990年代のビジネスコンサルは、成功事例をベースに現状分析し、あるべき姿(成功事例)を継ぎはぎして組み上げ、あるべき姿と現状の差分を埋める施策を案件化し、コンサルティングサービスとして提供するやり方。
・「論理的な証明は正しい」という大前提。過去の成功事例が正しいという考え方。
・論理的コンサルは「情報の整理」に過ぎない。膨大な情報を整えて、結論を導き出す「整理学」。

・現代では、過去に事例のない課題に向き合う必要が高まり、ファクトベースの論理証明型のコンサルティングは価値を失っていった。

 

■デザイン思考の流行

https://2019.images.forbesjapan.media/articles/31000/31682/photos/compress/316828b372d925dcb8e60c6fa5ae374b207eb.jpg

・すると、デザイナーが創作を行う際の思考法を体系化した「デザイン思考」がコンサル業界の中心的な考え方になっていった。
IDEOの方法論を軸としたデザイン思考は、コンサル会社の課題解決型フレームワークと体系が似ていて、流用しやすかったため、欧米では一気に広がった。デザイナー出身者を最高位であるパートナーに就かせ全体のリードを任せるようになった。

・一方日本では、コンサル経験を必要以上に重要視した。そのため、従来型のコンサルがデザイナーの業務を管理した。当然、プロトコルが合わず、デザイン思考は上手く行かなかった。
・コンサルはファクトベースであり、デザイナーは人間中心としつつ創造性を許容した幅の広いもの。そもそもの発想が全く違うため、どこに視点を置くかの課題設定が大きくずれている。デザイン思考を取り入れても、うまく行かないケースが日本では多発した。
・日本にて、コンサル会社のデジタル事業がぱっとしないのは、デザイナーに場を任せきれないことが原因。

 

■アート思考・アーティストの思考

・「アート思考」と呼ばれるものに注目が集まってきているが、混乱しないよう明確にしておきたいのが、「アート作品を扱う人」と「アートを創り出すアーティスト」は、決定的に違うということ。
・アート作品を扱う人は、さまざまな課題をアートという「商材」で解決しようとする発想。それは「デザイン思考」の領域の話。

・アートは、アーティストが生まれ持つ感性や才能を直感で表現するというイメージから、論理的な思考とは無縁で、斬新な発想にて創造されると思われがち。しかし、そうではない。
・アーティストは徹底的に理論を学び、基礎を身につけ、歴史を知り、過去のアーティストに高い敬意を払っている。アーティストの創造性は、理論の上にそれを越えて成り立っている。
・そのようなアーティストの思考は、多くのアーティストは、アートつまり作品を、自分のアイデンティティだと信じている。自分の奥に潜む「基本欲求」にによって動かされている。
アイデンティティは、自分自身の奥深くに潜むもので、表現すること自体がとても困難。またアイデンティティは、快楽と密接に結びついている。そのため、アーティストが、自らのアイデンティティを表現できたとき、このうえない快楽という報酬が与えられる。

・自分のアイデンティティを表現すること、これこそアーティストが最も大切にしていること。
・アーティストの思考を尊重するほど、ビジネスへの活用は難しいように思える。また、アーティストの思考は、けっして課題解決型ではない。そのままではビジネスには向いてない。

 

https://forbesjapan.com/articles/detail/31682/1/1/1
https://forbesjapan.com/articles/detail/32194/1/1/1